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足に合わない靴が身体を不調にする

足に合わない靴は、百害あって一利なし。
身体を支える土台となる足の機能が低下だけでなく、骨格のバランスが崩れ、
身体全体に負担がかかりさまざまな症状を併発してしまいます。
自分の足の形やサイズを知ることは、身体のバランスをキープするための第一歩です。

なぜ靴の不具合が、
身体に悪影響を及ぼすのだろう?

数ヶ月も履いていると、ソールが擦り減ったりして靴自体に歪みが生じてきます。内側や外側の傾斜、左右で変形の違いが出たりします。このような靴を履き続けると、膝関節の左右どちらかに負担がかかります。それを補うために骨盤を一方に傾け、片方の肩甲骨を下げ、知らないうちに頭を傾けるようになってしまいます。こうなると足首関節や膝関節、股関節、腰、肩甲骨の歪みから腰痛や肩こり、顎関節症、偏頭痛などさまざまなトラブルを引き起こします。

例えば、地盤の弱い土地に建つ家を想像してください。そのような土地で絶えず揺れが起きていると家はどうなるでしょうか?時間の経過とともに地盤がもろくなり、やがて壁にヒビや骨組みがズレたり、家が傾いたりしてしまいます。踵部のソールの擦り減りや内側や外側の傾斜、左右の変形は地盤のもろさと同じです。このような状態で履き続けると、骨や筋肉の状態が悪くなるのも明らかです。

代表的な症例

外反母趾

親指(母趾)が小指側に変形し、「くの字」になる状態。65才以上の女性の3人に1人以上が外反母趾を発症していると言われています。発症の主な原因は、ハイヒールや合わない靴による外的要因です。先細りのヒールデザインにより関節が緩んだ状態で母趾を外側に圧迫してしまうことが要因の一つとして考えられています。

内反小趾

小指(小趾)の変形のこと。女性だけでなく男性にも多い症状で、痛みがあまりないために気にしない方が多いです。ゆるい靴を好む、ハイヒールを履く、内股、ガニ股やO脚の方に多く見受けられます。足指が縮こまるために足の接地面積が狭まって身体のバランスが悪くなり、かえって悪い姿勢になってしまいます。

靴ズレ

靴ズレが起きる原因は主に3つ。1つ目は、止め具(紐やマジックテープ)のない靴や大きすぎる靴を履くと靴の中で足が動いてしまい、足指が圧迫されることで生じます。2つ目は、左右の足に差があるために歩行バランスが崩れ、片方の足に靴ズレが生じてしまう。3つ目は、踵のカーブがあまりなく、まっすぐに近い場合。靴のカーブに合わないため踵のホールド力が弱まり、歩く度に足が前に動くことで生じます。

タコ、ウオノメ

一部の部位に摩擦刺激や荷重が加わることによって生じる防御反応です。特に、立ち仕事に就いている方やつま先の細いヒールを履く人、扁平足の方に多く見受けられます。タコは、皮膚の一部が慢性の刺激を受けて厚くなる症状。少し黄色味を帯びて盛り上がり無痛のことが多い。ウオノメは、足の裏に約5mm径の硬い皮膚病変ができ、歩行時に激しい痛みを伴います。

腰の痛み

人が抱える自覚症状で最も多いのが腰痛とされています。しかし、症状や種類は多岐にわたり、それぞれに対処法が異なってきます。姿勢の悪さ、筋肉疲労、腰に負担のかかる動作など、労働環境や生活習慣にも大きく関係しています。

膝の痛み

膝の使い過ぎや過度な負担がかかって生じる「変形性膝関節症」が最も多い症状。また、「ジャンパーズニー」は膝蓋腱炎とも呼ばれ、ジャンプや着地動作を頻繁に行うスポーツ選手によく起こります。「オスグッド」は成長期の子供たちに頻発するスポーツ障害です。我慢して運動し続けると成人してから後遺症をもたらすことがあります。これらの症状は、バランスの悪い靴が要因の一つとされています。

足底筋膜炎

中高年の女性や、マラソンなどの競技者に多く見られる症状でスポーツ障害の一つでもあります。足裏の踵部や足裏全体に痛みが出ます。ランニングやジャンプなどによる足裏の衝撃で、つま先から踵まで足の裏を縦に走っている足底筋膜という分厚い膜が引き伸ばされることの繰り返しにより発症します。

アキレス腱炎

アキレス腱に炎症を起こした症状で、一般的に剣道や陸上、ジャンプスポーツなど急激に負荷が強くなった時に発症する場合が多いです。アスリートだけでなく、中高年のスポーツ愛好家や、身体を動かす習慣がない方でも発症します。運動時だけでなく、歩き始めにふくらはぎから踵あたりにかけて痛みを感じたり、アキレス腱が腫れていたりします。